山口県の瀬戸内にある大自然豊かな島を舞台に、雄大な海やどこか懐かしい学校、風情のある診療所など風光明媚なロケ地で撮影され、少年少女の心の成長や、子供たちの目を通して描かれる心温まる家族の姿を描く『凪の島』。
監督は、『ソウル』(2002/長瀬智也主演)や『卒業』(2003/内山理名・堤真一主演)、『13階段』(2003/反町隆史・山崎努主演)、『夜のピクニック』(2006/多部未華子・石田卓也主演)などのメジャー作品のほか、2014年には、岩井俊二プロデュース・脚本の連続ドラマ「なぞの転校生」(テレビ東京)の全12話の演出を担当するなど、先進的に映像作品を制作し続けてきた長澤雅彦。脚本も長澤監督自身によるオリジナル。長澤監督は、『恋』や『くだまつの三姉妹』など、山口県を舞台に数多くの作品を製作しており、「人生の集大成とも宝物とも言っていい作品」と語るほどの力作となる。山口県を舞台に数多くの作品を製作する長澤監督が、今度は少女を主人公にした心温まる作品を世に送り出す。
主人公は、両親の離婚によって母の故郷である山口県の小さな島で暮らすことになった小学4年生の凪。その凪役には、Foorinメンバー(2018-2021)としての活動や、NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(2021-2022)への出演など、多方面で活躍している新津ちせ。全国で開催されたオーディションで新津は、当時10歳とは思えない見事な演技力で、監督をはじめプロデューサー陣を虜にし、主役の座を獲得した。東京都出身の新津だが、母親が山口県出身であり、夏休みには山口在住の祖母の家で過ごすこともあるということで、新津にとって“もうひとつの故郷”である山口が舞台の映画の主演を演じられたことは、感慨もひとしおのようだ。
凪が通う小学校の担任教師・河野瑞樹役に、AKB48卒業後に女優として華々しく活躍する島崎遥香。
その瑞樹に思いを寄せる漁師・守屋浩平役に、スーパー戦隊シリーズ「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」の主演をはじめ、メンズファッション誌「smart」の専属モデルとして注目される若手俳優の結木滉星。
さらに、凪の母・原田真央役に加藤ローサ、真央と離婚した凪の父・島尾純也役に徳井義実(チュートリアル)、小学校の用務員として子供たちを見守る山村徳男役に嶋田久作、凪の祖母・原田佳子役に木野花と、個性派・演技派俳優が集結した。
本作の劇伴音楽は、TVアニメ「古見さんは、コミュ症です。」のエンディングテーマ「ヒカレイノチ」など国内のみならず海外からも多くの支持を集めている、姉妹ピアノ連弾ボーカルユニット・Kitri(キトリ)が、すべての楽曲を担当。劇伴音楽初挑戦とは思えないクオリティで、様々なシーンでKitriの楽曲を楽しむことが出来る。また、本作のために書き下ろした新曲「透明な」が主題歌に決定した。「透明な」は、本作の美しい情景や心情を引き立たせる、とても清らかな楽曲になっている。
この豪華キャストや、Kitriの優しい楽曲が、ストーリーに更なる彩りをもたらし、ひとりの少女のひと夏の成長や、心の機敏を丁寧に紡いでいく。